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いったりきたりの話

ぬるっとした文章と写真を上げます 

故郷を失った人々へ

 

 

 

 

 

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 私は写真が好きです。それは、写真を撮る、という事を通じて、撮られた風景との繋がりを感じられる瞬間があるからです。これはとても不思議で、尊い感情だと思っています。なぜなら、私とその外界はとても離れているのに、まったく違う物なのに、その溝を乗り越えてそう感じられるからです。撮る、という行為を通じて、私が死ぬまで私にとられるであろう風景が好きだ、と感じられる瞬間があるのです。

 

 

 

 

 

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  特に感じるのは、故郷の風景の大切さです。私には、まったく些細な風景の変化さえ、故郷においては過去との関係の中で、意味のあるものと感じられます。そこで生きてきたという感覚が風景を裏打ちし、特に親しく感じられるのです。

 

 

 

 

 

 

 

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 この国にはそれを失った人々がいます。それは言うまでもなく、東日本大震災で故郷を押し流された人々であり、特にそれに続く原子力災害で生活の場を失った人々です。

 

 

 

 

 

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 故郷を失う、という事を想像することはできるでしょうか。恐らくそれは心の中にある風景を一変させる、壊滅的な出来事であったでしょう。とても悲しい事でしょう。朝起きたときにふと窓から見える、赤く燃える山もなくなってしまえば、日が沈んだ後の、包み込むような金属質の風景もなくなってしまうのでしょう。夜の闇の、まったく見えない風景さえも失われてしまうのでしょう。あらゆる過去との連帯は絶たれ、風景が無に帰する感覚があるのかもしれません。私はその悲しみと怒りを想像しきることはできません。

 

 

 

 

 

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 私は、死んでしまった人々に、また失われてしまった風景に、そして何よりも私達の選択のせいで、将来にわたって危うくなってしまった、あらゆる人々の故郷の風景に哀悼の意を表します。本当に悲しい事だと思います。

 

 

 

 

 

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